織姫便り

心霊住宅情報館

壁を隔てた隣家の声が気味悪くて、とても住んでいられない…そんな苦情が相次ぎ、入居と退去が頻繁に繰り返されているメゾネットの賃貸物件。現地へ赴いた霊能者が探り出した、謎の笑い声の正体とは!?

第27物件 天井裏の足音……(東京都H市)

お隣が笑ってる……(神奈川県F市)
同業の男性から突然、連絡が入り、「力を貸して欲しい」と懇願されました。その人は占い師が本職なのですが、加持祈祷の修行を積んだ経験を活かして賃貸物件のお祓いなどもしています。以前、話に聞いたところでは、いくつかの賃貸管理業者と契約し、退去者の出た部屋の状態を見た上で必要に応じて霊的浄化をする、いわば心霊クリーニングのような仕事をしているとのことでした。一般にはほとんど知られていませんが、退去済みの室内を清掃したり壁の貼り替えをしたりする業者がいるのと同様、そこに住み着いた霊を祓ったり、前の住人の念を浄化したりする仕事を専門に行っている霊能者もいるのです。ちなみに私の場合は、すでに心霊現象が起きている物件の調査・お祓いが専門。その辺は微妙な棲み分けができているので、そうした人々とはとくにライバル関係というわけではありません。

前置きが長くなりましたが、彼が手に負えないと泣きついてきた物件は、湘南海岸からほど近いメゾネット形式の賃貸家屋でした。建物の概容は今風の瀟洒な二階建て木造建築で、それを真ん中でふたつに区切り、左右に玄関が並んでいる形。「懇意にしている業者さんが五年前に建てた家なんですが、貸し始めてから今までかなりの数の世帯が入れ替わっているんですよ」「それは左右、どちらの住人ですか」「どっちもです。左を借りた人も、右を借りた人も皆、隣との仕切りの壁の向こうから気味の悪い笑い声が聞こえると訴えるんです」。それで入居者が替わる度に何度もお祓いを繰り返しているのだが、いっこうに効果が現れない。いや、それ以前に左右どちらの部屋からも全く霊気らしきものを感じ取ることができないのだと言うのです。

まずは向かって右側の物件から見ることに。玄関を入ると一階部分はキッチン、風呂、洗面所、トイレなどの水回りで占められていました。そして階段を上って二階へ行くと、そこはリビングと洋室がふたつという造りでした。続いて入った左側も全く同じ間取りで、両者とも家相に問題があるというわけでもなく、さらに彼の言葉通り私も全く霊気や邪気の類を感じ取ることができませんでした。

しかし、そのうちに笑い声が聞こえるという壁の全面に妙な違和感を覚え、精神を集中して透視してみたところ、意外な事実が判りました。「ここの壁紙、後から貼り替えられています。完全に同じクロスを使っているので業者さんも気づかなかったんでしょう」。

その後、所有者の業者立ち会いのもとで私が指摘した面の壁紙を剝がしたところ、薄い鏡面シートが張り巡らされていたそうです。さらにそれを剝がした後の下壁には牙を剥きだして笑う赤い鬼の顔が描かれていたと……。つまり鏡の作用で隠蔽された巧妙な呪詛だったのです。誰がいつ、何の目的でそんなことをしたのか、現在のところ全く不明ですが、私の予感では犯人は見つからないような気がします。誠に不可思議で不気味な案件でした。

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