織姫便り

心霊住宅情報館

今回ご紹介するのは、事故物件と知りながら、さるマンションの一室に入居した男性の話です。「お祓い済みなので安心してください」その言葉を信じて借りた部屋。しかし実際には!!

第14物件 特殊事情の事故物件……(千葉県I市)

特殊事情の事故物件……(千葉県I市)
“最近はわざわざ事故物件を探して部屋を借りる人がいる”そんな話を知り合いの不動産業者から聞きました。ご存知の方も多いと思いますが、事故物件とは直前の住人が自殺、あるいは何らかの事件や事故に巻き込まれるなどして屋内および敷地内で死亡してしまった住居のことです。事故物件については告知義務というものが法律で定められており、新規の客に貸し出すに当たって業者側は必ずその旨を伝える必要があります。しかしそうした物件が不動産市場へ出る際は賃料が破格となるため、その安さに惹かれて借りようとする人が増えている、というのです。

「それでですね、折り入って先生にご相談したいことがあるのですが」業者の話によると、半年ほど前に事故物件へ入居した男性がいたそうです。その男性は霊的なことを多少気にしていましたが、業者側がお祓いを済ませてあることを伝えると、安心をした様子で入居したとか。さて最初の数ヶ月はとくに問題もなかったのに、ここに来てその人物が少しおかしくなっている、というのが相談の内容でした。頻繁に奇声を発したり、ベランダ越しに隣の住人と喧嘩をしたりするなどのトラブルを起こしているのですが、当人は担当者に対して「幽霊が出るので、それを追い払おうとしているだけだ」と主張しているとか。会社の体面や今後の営業にも関わるので、大事になる前に上手く解決して欲しいと頼まれました。

現場は東京都に隣接した千葉県のI市。JRの駅からバスに乗って少し行った場所に建つ、高級マンションの一室でした。問題の部屋を訪問すると、ドアから顔を出した居住者の中年男性はいきなりまくし立ててきました。「ここに入る前にね、お宅の会社の人に「偉いお坊さんにお祓いしてもらっているから大丈夫です」と言われたんです!でも、実際に出るんですよ!これって詐欺じゃないですか!」その男性をなだめつつ、室内に通してもらってざっと霊視したところ、すぐに数体の霊をキャッチすることができました。しかしおかしなことに、それらはいずれも男性の怨念霊だったのです。この部屋で自殺したのは三十代の女性のはずなのに、です。居住の男性に聞くと、やはり出るのは男の霊ばかりだというので、首を傾げながらさらに詳しい霊査を試み、女性の霊の痕跡を見付けました。その結果、分かったことは、当該の部屋で自殺した女性は生前、常軌を逸するほど恋多き人で、俗に言う魔性の女。何人もの男性と同時に関係を持った挙げ句に素っ気なく振るということ繰り返し、数人を自殺にまで追い込んでいたのです。彼女が自殺したのも、振られて先に自殺した男性達に取り憑かれてのことではないか、と推測されました。

業者がお祓いを依頼した僧侶は、恐らく女性の霊しか見えなかったのでしょう。供養によって彼女自身は成仏したものの、後に男達の霊が残存してしまったというわけです。「自分は霊なんて信じない」あるいは「霊感がないから事故物件に住んでも大丈夫だ」。いくら不景気とはいえ、そうした考えは起こさない方が賢明です。賃料を惜しんで霊の恐怖に遭うなど、愚の骨頂だと思います。

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